つみたてNISAを始めようと商品(投資信託)を調べ始めると、S&P500関連の人気が高いことが分かります。
S&P500商品1本だけを購入して、つみたてNISAを始めても大丈夫か心配している方もいるでしょう。
結論は、数年間の下落にも耐えて長期保有するならS&P500だけでもアリです。
通常、海外の1つの国に投資をするのはリスクが高いと言われています。
しかし、米国株は例外です。
結果的に他国の株式も、世界経済の中心である米国に左右されるからです。
全世界株式や先進国株式の商品も、投資先の60~70%くらいが米国株式になっています。
結局どれも米国を頼っている状態です。
S&P500の商品はいくつかありますが、オススメは「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」です。
まずは、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの基本的なスペックを見ていきましょう。
目次
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドについて
まず最初に、S&P500の説明をします。
S&P500とは、米国の優良企業500社の株価指数を示すものです。
Google、Apple、Amazonなどの超有名企業が含まれているのがS&P500です。
日本でいうとTOPIXや日経平均のようなものになります。
そのS&P500に連動するバンガード社の「バンガード・S&P500 ETF」を通じて、米国株式に投資している商品が、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドになります。
バンガード社とは
・本社はペンシルベニア州
・世界最大の投資運用会社で、運用残高は約648兆円
・運用している全ファンドにおける経費は純資産額の0.1%でローコストリーダーと言われている
・インデックスファンドでは世界ナンバー1のシェア
大手の運用会社を経由することで、経費を抑えることが出来るのでコスト(信託報酬)を低く設定できたことが大きな特徴になります。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの仕様は以下です。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | |
投資対対象 | 米国株式 |
設定日 | 2019年9月26日 |
信託報酬 | 0.0938% |
基準価額 | 17,907円 |
純資産額 | 7,020億円 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、つみたてNISAの商品群で特に人気がある投資信託です。
ネット証券で口座数No.1のSBI証券において、つみたてNISAのランキングでは以下の項目で全て1位を取っています。
人気の理由は、やはり信託報酬が安いことです。
長期投資において、信託報酬の安さは収益にも関連する重要項目なので、そこを重視した商品選択の結果と予想できます。
実際に、どんな銘柄が組み入れてあるのか上位10社を表にしてみました。
銘柄名 | 業種 | 比率 |
1. アップル | 情報技術 | 7.04% |
2. マイクロソフト | 情報技術 | 5.77% |
3. アルファベット | コミュニケーション・サービス | 3.66% |
4. アマゾン | 一般消費財・サービス | 3.27% |
5. テスラ | 自動車 | 2.21% |
6. バークシャー・ハサウェイ | 金融 | 1.60% |
7. ユナイテッドヘルス | ヘルスケア | 1.57% |
8. ジョンソン&ジョンソン | ヘルスケア | 1.42% |
9. エクソンモービル | エネルギー | 1.22% |
10.メタ・プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス | 1.03% |
上記の表から、米国の有名企業が組み込まれていることが分かると思います。
これらの企業に間接的に投資しているのが、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドです。
購入したSBI・V・S&P500の値動き
筆者はつみたてNISAで、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを購入しています。
2021年12月28日から購入しており、2022年10月で約11カ月です。
実際の損益
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを最初に購入したときは、下のグラフにある赤丸のところで初めて約定しました。
当時の価格は17,587円です。
そこから2022年10月時点までは、グラフから分かるように下落する場面もありました。
損益がマイナスになる時期も度々ありました。
現時点では、以下のようにプラスの損益を維持しています。
これは、下落時でも買い続けたおかげです。
下落時に買い続けたことで購入単価が下がり、少し価格が上がれば利益が出る体質になりました。
見やすい形にするため、以下のような表を作ってみました。
ファンド名 | 損益 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | +2.27% |
定期預金よりは、良い利率となっている状況です。
価額が値下がりして、買い付け数が増えた分が値上がりしたときに利益の底上げをしてくれます。
実際の値動きについて
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの購入者として、実際の値動きは「流行に敏感なお調子者」という感じを持っています。
市況に対して、敏感に反応して上下動をしながらも上昇志向を持っている感じです。
たとえ下手ですが、「明石家さんまさん」のようなイメージ。
市況に対する反応が早いので、下落するときは早いですが元に戻るのも早いことを実感しています。
ライバルとの比較
ライバルとなるのは、eMAXIS Slim米国株式S&P500です。
同じS&P500を指数としています。
基本仕様の比較
eMAXIS Slim米国株式S&P500の基本的な仕様を、SBI・V・S&P500と比較してみましょう。
SBI・V・S&P500 | eMAXIS Slim米国株式S&P500 | |
投資対象 | 米国株式 | 米国株式 |
設定日 | 2019年9月26日 | 2018年7月3日 |
信託報酬 | 0.0938% | 0.0968% |
基準価額 | 17,907円 | 19,542円 |
純資産額 | 7,020億円 | 1兆5,670億円 |
eMAXIS Slimの方が約1年早く販売されています。
信託報酬は、eMAXIS Slimの方が若干高いくらいです。
対象企業の比較
次に、eMAXIS Slim米国株式S&P500の組み込み企業の上位10社を見てみましょう。
銘柄名 | 業種 | 比率 |
1. アップル | 情報技術 | 6.7% |
2. マイクロソフト | 情報技術 | 5.9% |
3. アマゾン | 一般消費財・サービス | 3.3% |
4. テスラ | 自動車 | 2.0% |
5. アルファベット A | メディア・娯楽 | 1.9% |
6. アルファベット B | メディア・娯楽 | 1.8% |
7. バクシャー・ハサウェイ | 金融業 | 1.7% |
8. ユナイテッドヘルス | ヘルスケア | 1.3% |
9. ジョンソン&ジョンソン | 医薬品 | 1.3% |
10. エヌビディア | 半導体 | 1.3% |
SBI・V・S&P500と、ほぼ同じ企業名があることが分かります。
トータルリターンの比較
次に、eMAXIS SlimとSBI・V・S&P500のトータルリターンを比較してみましょう。
購入して、1年間持っていた場合と3年間持っていた場合の利益率(リターン)の比較です。
ほぼ同じの結果になりました。
比較結果
eMAXIS SlimとSBI・V・S&P500を比較した結果、どれも僅差でした。
実際にSBI・V・S&P500を買っている筆者としては信託報酬の差があることを強調したいところです。
しかし、このくらいの信託報酬の差が長期に渡ってどのくらいの損益差になるかは何とも言えません。
ただ、SBI・V・S&P500はSP500商品の中で信託報酬が最安なので、その商品を購入しているという安心感があります。
SBI・V・S&P500のメリットとデメリット
S&P500を購入するのに、背中を押すメリットと注意するデメリットを示します。
SBI・V・S&P500のメリット
商品個別のメリットというよりはS&P500のメリットになります。
1.S&P500指数が上昇トレンドにある
過去30年間(1992年~2022年)のS&P500を見てみましょう。
S&P500は下がっている時もありますが、基本的には右肩上がりの上昇カーブを描いています。
日経平均値を比較として載せましたが、S&P500は断然上昇トレンドです。
今後も同じようなトレンドが続く保証はありません。
しかし、株式投資で「相場のことは相場に聞け」という格言があります。
これは、相場の流れに従った方が良いという意味です。
上昇トレンドならばそれに乗らない手はありません。
2.米国はGAFAM+αなどの先端企業が多いから成長する
世界の産業を引っ張っているのは米国企業です。
米国を代表するBig8(GAFAM+α:Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、Tesla、NVIDIA、Netflix)があるように、誰でも知っている企業から専門性の高い企業まで、米国では多くの大企業が生まれています。
今後も米国ではイノベーション(技術革新)が起き、急成長を遂げる企業が出てくるでしょう。
それらの企業が、今後もS&P500に組み込まれていきます。
世界中から才能豊かな移民を受け入れている米国は、これからも成長していくことが予想できます。
3.500社に分散投資している
「卵は1つの籠に盛るな」ということわざがあります。
これは、分散投資をオススメする意味で使われる言葉です。
S&P500だけの購入を決めた方は、分散投資が出来ていないと心配かもしれませんね。
S&P500は米国の優良企業500社に分散されていますが、さらにリバランスが採用されています。
S&P500の組み入れるには「4期連続の黒字利益」「時価総額が一定以上」などの複数の条件があり、未達の企業は入れ替えられます。
これがリバランスです。
すなわち、SBI・V・S&P500は500社に分散投資しながら中身も堅実な企業に入れ替えているという商品です。
4.米国は先進国で唯一の人口増加
他の記事でも書きましたが、米国は先進国のなかで唯一の人口増加国です。
下のグラフは、各国の人口推移を表したものです。
出生率の増加に成功したといわれていたフランスも、2020年代をピークにして徐々に下がっていく傾向です。
米国は最先端技術を生み出しながら、人口も増えていく国になっています。
人口増はその国の豊かさと勢いを示していて、米国は今後もそれが継続される国です。
すなわち、今後も株式が上がる土台が形成される国ということです。
SBI・V・S&P500のデメリット
こちらも商品個別のデメリットというよりは、S&P500のデメリットです。
S&P500の良いことばかりを書いてきましたが、いくつか注意する点もあります。
1.過去に数年間の下落あり
S&P500も過去に数年間の下落時期があります。
実際にグラフを見てみましょう。
過去40年間のS&P500指数を示しました。
過去に大きな下落があったことが分かります。
下落名 | S&P500の落ち込み |
ITバブル崩壊 | 40%下落 |
リーマンショック | 60%下落 |
そして、2022年になってから物価高とウクライナ危機で下降時期に入っています。
S&P500は長い目で見れば右肩上がりを続けていますが、数年間の下落に耐える覚悟が必要です。
そんな場面でも、継続して購入することで「口数を増やす時期」と割り切ってしまうことが大切です。
筆者は、何度もS&P500でマイナス損益になっている場面に出くわしました。
そのときは開き直り「どんどん買ったるでー」という心意気で、「ちょっとでも上昇したら一気にプラスじぁー」と期待を込めて放っておきました。
2.米国だけに資産集中
S&P500だけに絞った状態は米国だけに資産集中している状態です。
最初にも書きましたが、マクロな視点で見ても世界経済は米国を中心に動いています。
これまでは成長を続けてきましたが、今後は成長が鈍化する可能性はあります。
そんなことがおきると、米国だけに資産を集中させていると、大きく資産を減らすことになりかねません。
それでも、世界経済は米国を中心に動いています。
「経済は循環する」という識者もいるくらいなので、ずっと沈みっぱなしということはありません。
数年掛かっても無理やりでも上昇する場面は出てきます。
3.為替の変動
海外資産を購入することになるので、為替の影響を受けることもあります。
購入時よりも売却時の方が円安になっていれば良いですが、逆に円高になっていると利益が減ることになります。
S&P500の変動リスク以外に為替変動のリスクがあるので、損益の幅は日本株に投資するよりも大きくなるということです。
そうは言っても、成長が期待できない日本株に投資するのもリスクです。
それよりは、世界経済の中心である米国を代表するS&P500に投資した方が個人的に将来は明るいと考えます。
まとめ
今回は、投資初心者がつみたてNISAをS&P500商品だけで始める場合について記事にしてみました。
世界経済の中心である米国のS&P500だけに投資するのは悪くないと思います。
ただし、数年間の下落場面は必ず訪れるので、その間も平静を装い淡々と買い続けることが大事です。
その行為が、口数を増やすことになり、ひいては上昇トレンドになったときに利益を生み出してくれます。
S&P500に投資するなら、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドがオススメです。
つみたてNISAでは、証券会社ごとに購入できる商品に差があります。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを、購入できない会社もあるのでご注意ください。
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