SBI証券と楽天証券はどちらも人気の証券会社で、iDeCoの口座開設においてトップを争っています。
iDeCoは1人1口座しか開けませんので、証券会社の選択は大切です。
筆者の結論は、iDeCoの口座を開くなら、オススメはSBI証券です。
- 商品(投資信託)の数が多い
- 低コスト(信託報酬)の商品が多い
これらの点で、楽天証券よりもSBI証券の方が有利です。
iDeCoを始めるのに、どの証券会社で口座を開くかはとても重要です。
今回は、人気を2分するSBI証券と楽天証券のネット証券大手を比較します。
目次
iDeCoのオススメはSBI証券
iDeCoを始めるなら、SBI証券で口座を開くことをオススメします。
もう一つの人気証券会社である楽天証券と比較して、商品ラインアップの豊富さとコスト(信託報酬)の低さで有利です。
つまり、SBI証券は自分の投資方針に沿った商品を選びやすく、コストを低く抑えられるので利益を高めてくれる証券会社だと言えます。
実際に、SBI証券と楽天証券を比較してみました。
SBI証券 | 楽天証券 | ||
取り扱い商品数 | 37 | 31 | |
最低信託報酬 | 0.0968% | 0.10989% | |
サポート体制 | 電話(平日、土日※)、 メール、AIチャット ※土日のコールセンターは新規加入の問い合わせのみ |
電話(平日、土日祝)、メール、AIチャット | |
無料Webセミナーあり | 無料Webセミナーあり | ||
商品選びの「iDeCoロボ」が使える | スタートアップガイド冊子あり | ||
口座開設手数料 (初回のみ) |
2,829円 | ||
運用管理手数料 (毎月) |
各証券会社 | 無料 | |
国民年金基金連合会 | 105円 | ||
信託銀行 | 66円 | ||
受取時手数料 | 440円 |
上記の比較表からSBI証券と楽天証券で差があるのは、「取り扱い商品数」「最低信託報酬」「サポート体制」の3つです。
そのうち、「取り扱い商品数」と「最低信託報酬」はSBI証券方が有利です。
よって、iDeCoを始めるならSBI証券をオススメします。
ただ、どうしてもサポート体制を重視したい方は、楽天証券の選択もありです。
iDeCoの証券会社を選ぶ3つのポイント
先ほど、SBI証券と楽天証券で差があるポイントは3つだと説明しました。
- 商品ラインアップの豊富さ
- コスト(信託報酬)の低さ
- サポート体制
これら3つは、iDeCoの証券会社を選ぶために大事なポイントです。
これらについて、なぜ大事かを順番に説明していきます。
商品ラインアップの豊富さ
取り扱う商品は、楽天証券の31本に対してSBI証券は37本です。
商品数が多いと迷ってしまうと思いがちです。
しかし、それ以上のメリットがあります。
それは、自分の好みの商品が見つけられる利点です。
商品数の多い方が、自分の好みの商品を見つけられる確率は高くなります。
例えば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)という商品は、米国の代表的な株式指数S&P500に連動していて、運用成績が良いため人気です。
こういった商品をiDeCoで購入したい方にとっては、取り扱っている証券会社を選ぶ必要があります。
すでに購入したい商品が決まっている方は、SBI証券と楽天証券のどちらにその商品があるかを確認しましょう。
コスト(信託報酬)の低さ
iDeCoは長期投資なので、一番重要なのはコストです。
どれだけ利益が出ても、差し引かれる金額が大きいと利益に影響が出てしまいます。
それが長期にわたるとバカにできません。
iDeCoにある商品の信託報酬は大体0.1~2%程度となっていて、大して変わらないように感じるかもしれません。
ところが、このたったわずかな違いが20年続くと利益に9万円の差が出てきます(参照サイト:Keisan_年率5%、毎月2万円、20年間積立で計算)。
コスト(信託報酬)は商品ごとに決められていますので、どの商品を選ぶかでコストが決まります。
サポート体制
初めて投資を行う方にとって、サポート体制は重要な項目です。
初めての投資だと、手続き方法や商品の購入方法などが分からず、今すぐ電話で解決したい課題が出てきます。
ところが、SBI証券と楽天証券はネット上で手続きができるのは便利ですが、対面での質問や相談ができません。
そのため、手続きや設定方法などをAIチャットやメールを利用することになります。
両社とも土日のコールセンターは対応していますが、細かく調べると差があることが分かります。
平日が忙しい方は、土日に相談したいと思いますが、相談内容が限られると解決したい問題が先送りされてしまいます。
iDeCoにおけるSBI証券と楽天証券のメリット
iDeCoを始めるならSBI証券がオススメですが、楽天証券も引けを取りません。
そこで、それぞれのメリットを取り上げてみます。
SBI証券のメリット
1.商品数が多い
iDeCoの取り扱い商品数は、SBI証券の方が充実しています。
初心者にオススメのインデックスファンドの数を比較してみました。
SBI証券 | 楽天証券 | |
取り扱い商品数(合計) | 37本 | 31本 |
その内インデックスファンド数 | 18本 | 12本 |
SBI証券では、37本中18本がインデックスファンドです。
商品数が多いSBI証券の方が、好みの商品を探し出せる確率は高くなります。
この点でSBI証券は有利です。
特に、SBI証券のiDeCoでは人気の「eMAXIS Slimシリーズ」を取り扱っているので、それを購入したい方は、SBI証券を選択する必要があります。
2.低コスト商品がそろっている
長期運用において、1番大事なのはコスト(信託報酬)です。
利益が出ても、そこから引かれる金額が小さい方がより大きい利益が残ります。
SBI証券の方が低コストの商品がそろっています。
実際に、SBI証券と楽天証券のiDeCoで購入できる株式を対象とする商品を比較してみましょう。
両社からコスト(信託報酬)が低い商品3つを取り上げました。
SBI証券 | 楽天証券 | |
低コスト商品1 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | たわらノーロード先進国株式 |
信託報酬1 | 0.0968% | 0.10989% |
低コスト商品2 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 楽天全米株式インテックスファンド |
信託報酬2 | 0.1023% | 0.162% |
低コスト商品3 | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド |
信託報酬3 | 0.1144% | 0.176% |
両社の商品を比較すると、SBI証券の方が低コスト品がそろっていることが分かります。
SBI証券のiDeCoでは、人気の「eMAXIS Slimシリーズ」をラインアップ。
「eMAXIS Slimシリーズ」とは、三菱UFJの商品で「全世界株式」「米国株式」「バランスファンド」などの各市場に幅広く展開している投資信託です。
また、同じ市場の他社品に対して最安の信託報酬を目指しています。
実際に、数年前には信託報酬の値下げを実施しました。
よって、今後も信託報酬が下がる期待ができる商品です。
楽天証券のメリット
1.サポート充実で初心者は心強い
楽天証券では、全くのゼロから始める方に対してサポートが充実しています。
決め手は、コールセンターの土日対応とスタートアップガイドの提供です。
SBI証券と比較して優れているのは以下の2点です。
・土日に電話で相談ができる
SBI証券では新規加入の問い合わせのみ、土日の電話受付が可能となっています。
楽天証券は口座開設の後でも、土日に電話相談が可能です。
土日に電話対応可能なら、iDeCoの設定や製品購入の方法などの困ったときに、電話してすぐに解決してもらえます。
一方、SBI証券では口座開設後の電話相談は対応してくれないので、AIチャットやメールで解決しなければなりません。
このあたりは、SBI証券よりも優れています。
・スタートガイドブックがある
楽天証券には「個人型確定拠出年金(iDeCo)って何?」に対応した冊子“イマカラ”が用意されています。
”イマカラ”には、これからiDeCoを始める方に必要な最低限の知識が書いてあり、これを読むことでiDeCoの仕組みや商品が分かるようになっています。
”イマカラ”のおかげで商品知識が増えることから、自分にどんな商品が合っているかが分かります。
ゆっくりと自分のペースで読みながら、口座開設や商品選びに活用できるので、初心者方には心強いと思います。
iDeCoにおけるSBI証券と楽天証券のデメリット
iDeCoのオススメはSBI証券ですが、やはりデメリットもあります。
それを知ることで、安心して口座開設や商品選択ができます。
ここでは、単純にメリットの反対を取り上げるのではなく、実際に不便と感じるところを取り上げました。
SBI証券のデメリット
1.受け取り期間に制限あり
満期になった資金を受け取る方法が、楽天証券と比較すると柔軟性がありません。
SBI証券では年金として受け取る年数を、5・10・15・20年の中から選ぶことになります。
楽天証券では、5年以上20年以下の期間から1年刻みで選択が可能です。
また、年間支給回数は6種類(年1回、年2回、年3回、年4回、年6回、年12回)から選択できます。
それに比べると、SBI証券の支給回数は4種類(年1回、年2回、年4回、年6回)と少ないです。
楽天証券と比較すると、支給の自由度が低くなります。
支給の自由度が狭いと、自分の生活スタイルに合ったお金の使い方に制限を受ける場合があります。
例えば、毎月支給が選べないので、iDeCoの支給を毎月の支払いが必要な生活費(家賃、光熱費等)に充てるのが難しくなります。
楽天証券のデメリット
1.楽天ポイントは対象外
普段から楽天を利用している方は、楽天ポイントを貯めている方もいるでしょう。
楽天証券で、株や投資信託の購入などを決済すると楽天ポイントがもらえることも知っているかもしれませんね。
ただし、iDeCoは楽天ポイントの対象外となっています。
iDeCoでもポイントが貯まると思っている方は注意が必要です。
ただ、SBI証券もiDeCoではTポイント、、Pontaポイント、dポイントは対象外なので、iDeCoを始めるデメリットとは言えません。
楽天証券がオススメな人もいる
総合的に考えると、iDeCoを始めるならSBI証券がオススメなことを書いてきました。
しかし、中には楽天証券の方が適している人もいるかもしれません。
そこで、それぞれの証券会社にオススメな人を考えてみました。
SBI証券がオススメな人
利益重視の方はSBI証券がオススメです。
商品数が豊富で低コスト品がそろっているSBI証券は、誰に対してもオススメできます。
商品数が多いことは、好みの商品が見つかりやすいです。
また、iDeCoは長期投資になるので、低コスト品を選べる点も優れています。
楽天証券がオススメな人
サポート重視の方は楽天証券がオススメです。
はじめて投資をする方もいると思いますので、分からないことを土日に電話で聞けることは大きなプラスです。
SBI証券は新規加入の問い合わせのみが、土日の電話対応が可能です。
よって、平日は忙しい方で電話サポートが必要な方は重宝するでしょう。
AIチャットは両社ともありますが、なかなか的を得た回答がもらえません。
対面ができないネット証券で、電話対応はサポート重視の方には心強いと思います。
まとめ
SBI証券と楽天証券のどちらが、iDeCoにオススメかを書いてきました。
それぞれ良し悪しがありますが、iDeCoを始めるならSBI証券がオススメです。
理由は以下です。
・商品(投資信託)の数が豊富
・低コストの商品が多い
初めて投資する方から株取引などの経験者の方にまで、幅広くオススメできるのがSBI証券です。
そして、サポートを重視したい方は楽天証券がオススメになります。
何を重視するかで、どちらの証券会社が自分に合っているのか決まります。
まずは、iDeCoの資料請求をしてみてはいかがでしょうか。
今回の記事が、iDeCoの証券会社選びに役立てば幸いです。