40代になると仕事の責任も増え、子供にもお金がかかり、自分の時間を確保することも難しい年代です。
そういったなかで、老後資金のためにつみたてNISAを始めようと考えている方もいると思います。
でも、たくさんの商品(投資信託)があって、何を購入したらよいのか迷ってしまいますよね。
投資信託を初めて購入するなら、出来るだけコストとリスクを抑えた商品を購入したいのではないでしょうか?
その場合は、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」という商品がオススメです。
または少しのリスクがあっても、利益が大きい商品を購入したい方もいると思います。
その場合は、「ひふみプラス」という商品がオススメです。
では、この2つの商品について、なぜオススメなのかを詳しく説明します。
インデックス型とアクティブ型の違い
つみたてNISAには、国から指定された長期投資向けの商品があります。
その商品の中で、運用方法は「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類に大きく分けられます。
インデックス型
・日経平均やTOPIXなどの市場平均と同じ上下動をする商品。
・運用のプロに支払う信託報酬も低く初心者向け。
アクティブ型
・プロが市場平均の利益を上回るように、独自に銘柄を組み合わせた商品。
・インデックス型よりも値動きが大きく、信託報酬も高い。
信託報酬とは、投資信託を保有している間、運用と管理の報酬として資産から差し引かれるもの。
リスクや費用をなるべく抑えたい方には「インデックス型」が、多少のリスクはあっても利益を優先したい方には「アクティブ型」が向いています。
安全と利益のどちらを優先するかによって、選択する商品が決まってきます。
インデックス型かアクティブ型の片方だけを選んで良いですし、つみたてNISAの限度額である年間40万円(月3万3000円)のなかで2つを組み合わせても構いません。
ここからは、インデックス型とアクティブ型のオススメ銘柄を、それぞれ紹介していきます。
インデックス型のオススメ銘柄
投資信託を初めて購入するならやはり、リスクは低く抑えたいものです。
それには、日本株、外国株、不動産、債券にまんべんなく投資している商品が良いです。
なぜなら、値動きが異なる資産に分散投資することでリスクを減らせるからです。
そこでオススメしたいのが、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」。
8資産とは、「国内株式」、「先進国株式」、「新興国株式」、「国内債券」、「先進国債券」、「新興国債券」、「国内リート」、「先進国リート」のことです。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」には以下のような特徴があります。
- 購入手数料なし
- 信託報酬は同じ8資産投資の商品では業界最安をキープ
- 8資産すべてに12.5%の分散投資を実施してリスクを低減
- バランス重視で長期投資向き
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は業界最安値をキープするために、もっと信託報酬が安い投資信託が出てきた場合に、信託報酬を下げた実績があります。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は株式市場以外にも、世界の不動産や債券に投資しています。
すなわち、維持管理のコストが低く、8つの資産を同じ比率で購入してリスクの低減をしているので、「インデックス型の最終形」と呼べる商品です。
このように、8つの投資先に12.5%ずつの配分で投資しています。
1つの資産が値下がりしても、他にそれを補うような値動きをする資産が出てくる可能性があることが、8つに分散して投資する意義です。
ただ、8資産に投資している商品はほかにもあります。
たとえば、信託報酬が安い商品は、以下のとおりです。
投資地域 | 銘柄名 | 委託会社 | 信託報酬(年間) |
グローバル | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 三菱UFJ | 0.154% |
グローバル | たわらノーロードバランス(8資産均等型) | アセットマネジメントOne | 0.154% |
グローバル | つみたてバランスファンド | りそな | 0.2387% |
グローバル | iFree 8資産バランス | 大和 | 0.242% |
8資産に投資している商品のなかで、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と「たわらノーロード」は信託報酬の最安値を保っています。
長期に渡って運用するには、信託報酬は安いに越したことはありません。
信託報酬が高い商品は運用成績が良いと思われがちですが、必ずしもそうではないです。
- eMAXIS Slimバランス8資産均等型(信託報酬:0.154%)
- たわらノーロードバランス(信託報酬:0.154%)
- つみたてバランスファンド(信託報酬:0.2387%)
この3商品の運用成績(2021年2月時点)を比較してみましょう。
3つとも2017年に運用を開始した商品ですが、信託報酬が高い「つみたてバランスファンド」は、他の2つよりも運用成績が低くなっています。
つまり、信託報酬が高いからといって、運用成績が必ずしも良いとは限らないんです。
それなら、信託報酬が同じである「たわらノーロード」でも良い気がしますよね。
そういった方のために、純資産の話をさせてください。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は「たわらノーロード」よりも純資産が大きいです。
純資産が大きいことのメリットを簡単に説明します。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と「たわらノーロード」の純資産を比べてみました。
銘柄名 | 純資産額(2020年10月30日時点) |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 630億円 |
たわらノーロードバランス(8資産均等型) | 120億円弱 |
一般的に、純資産が30億円を下回ると「繰上償還」のリスクが高くなります。
繰上償還とは
信託期間が無制限であるにもかかわらず、投信会社の都合で運用を止めてしまうこと。
純資産を比較すると、たわらノーロードは120億円もあるので十分ですが、eMAXIS Slimバランス8資産は630億円もあるので、よりリスクが低くて安心です。
よって、インデックス型で一番のオススメ銘柄は「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」となります。
アクティブ型のオススメ銘柄
少しは信託報酬が高くても、利益は大きい方が良いと考える方もいると思います。
そういった方は、「アクティブ型」を選択しましょう。
なかでも、オススメ銘柄は「ひふみプラス」です。
「ひふみプラス」は、日本株を中心に運用されている商品です。
市場の状況によって、現金比率を上げたり下げたりしてリスク回避を行っています。
日本株には有名な大型株以外に、成長率の高い中小企業や、誰も知らない優良な企業などの株も入っています。
運用方針として、海外も含めて企業規模にとらわれることなく、柔軟な運用を行っていることもオススメする理由の一つです。
たとえば、過去には以下のような運用例があります。
・第二次安倍内閣発足:円安・外需・大型株・株高へと相場動向が一変する中で、大型株の保有比率を高める。
・大型株主導の株式相場:日銀や公的年金等の資金流入期待を背景に、日経平均株価上昇。大型・中小型。超小型株のバランスを意識したポートフォリオに。
・新型コロナウイルス感染拡大:新型コロナウイルス感染拡大による不確実性リスクに備え、現金等の比率を上昇。
このように、「ひふみプラス」は市況の変化に応じた対応を行い、長期的な利益を確保しています。
また、設定来の運用成績が大きいのも特徴です。
日本株を運用している商品の中では、「ひふみプラス」の成績はトップです。
「ひふみプラス」は2012年5月28日に始まって今年で9年目。
設定来の運用成績は390%(約4倍)になっています。(2021年2月28日時点)
「ひふみプラス」はこれだけの成績を出していますが、リスクもあります。
リスク1:信託報酬が高い
一つは、信託報酬が高いことです。
インデックス型 | 信託報酬:0.094~0.55% |
ひふみプラス | 信託報酬:1.078% |
信託報酬を比較すると、「ひふみプラス」の1.078%はとても高く感じます。
リスク2:マイナス成績になることがある
「ひふみプラス」のようなアクティブ型の商品は値動きが大きいので、インデックス型よりも成績がマイナスになることが多いです。
実際、私自身も2016年から「ひふみプラス」を購入していますが、2020年のコロナ感染が広がった時期には運用成績がマイナスになる場面もありました。
ただ、その後は、運用会社のプロがプラスに持って行きました。
アクティブ型の商品を購入したときは、損益がマイナスになっても我慢して持ち続けることが大事です。
多少のリスクがあっても利益を優先させたい方には、トップクラスの運用成績を出している「ひふみプラス」をオススメします。
まとめ
投資資金にあまり余裕がない方でも、つみたてNISAなら長期でコツコツ運用できます。
つみたてNISAの投資期間は20年間です。
40代から始めても定年近くまで運用できるので、老後に向けた資産形成にはピッタリだと思います。
今回は、150以上あるつみたてNISAの商品からオススメの銘柄を選んでみました。
最後にもう一度紹介しておきます。
インデックス型のオススメ銘柄「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」
安全重視でリスクを極力取りたくない方にオススメです。
アクティブ型のオススメ銘柄「ひふみプラス」
多少のリスクがあっても利益を重視したい方にオススメです。
どちらか1つに絞って運用するのも良いですし、つみたてNISAの年間投資枠40万円の範囲で2つに分けて購入しても良いと思います。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と「ひふみプラス」は、大手のSBI証券と楽天証券で購入できます。
まずは、つみたてNISAの口座を開設するところから始めましょう。
SBI証券 ネット証券 口座開設数No.1
- 安心の口座開設数No.1のネット証券会社
- 豊富な商品ラインアップと情報量
- 投資信託専用のスマホアプリは分かりやすい